測量や空撮に一役買うツールとして注目が集まる「ドローン」。このドローンの登場によって新たに生み出される職種や職域があると考えられています。ドローンを仕事に結び付けたいと考える人には必見の内容です。
ドローンは建設現場での新しいスタンダードへ
ドローンを用いた三次元測量は、これまで行ってきた二次元での測量と比べると建設現場での作業時間を大幅に短縮することができます。ただ、ドローンも精密機械ですので、正しい使い方やメンテナンス方法などをしっかりと理解した上で使用することが大切です。
今後、三次元データを用いた設計、施工管理はますます進んで行くものと考えられます。日本政府も三次元データのオープン利活用を推進していて、建設現場でもドローンを用いた三次元測量がスタンダードになっていきます。
ドローンの登場で生み出される雇用とは
ドローンの登場によって、下記の職種が新しく生み出されます。
- ドローン操縦士
- ドローン整備士
- ドローン運行管理士
ドローン操縦士は、測量の際に実際にドローンを操縦するパイロットのことです。ドローン整備士はドローンをいつでも安全に飛ばすために必要なメンテナンスを担う人のことで、ドローン運行管理士は万が一トラブルが起きたときに適切な対処をするなど、正しく安全な飛行を管理する人のことを言います。
このように、ドローンを取り巻く雇用環境が確立されていくことで、ドローンを用いた三次元測量を積極的に請け負う企業が出てくるでしょう。
ドローンを仕事にするために必要なこととは
建設現場でドローンを使用する際、必要となると考えられる技術は以下の通りです。
- ドローンを正しく適切に使用することができる知識・技量を有していること
- ドローンの日常点検・管理ができること
以上の2点が最低限必要になると考えられます。ただ、ドローンに特化した国家資格というものは2016年10月現在、まだ存在していません。今後、ドローンに関連した資格が整備されていくでしょう。
もし、現段階で先立って何か資格を取得したいと考えている人には、無線従事者免許(第三級陸上特殊無線技士以上)の無線に関する国家資格を取得することをお勧めします。今後、2.4GHz帯以外の通信機器を搭載したドローン等の操縦をする場合、こうした無線に関する資格が必要となるためです。
■取材協力
合同会社ドローンビリティー
CEO 北岡 弘 氏
日本文理大学 航空宇宙工学科 卒業(学士)
ドローンを用いた航空写真計測業務や、JAXA内で人工衛星軌道監視システムの運用・開発に従事。その後、2015年6月合同会社ドローンビリティー設立。建設関連企業、GPS測量企業のドローン運用のサポート、ドローン運用者育成などを手掛けている。